チェンの目立て
安定性を確保し、両手を自由に使って目立てできるように、チェンソーとガイドバーを固定する必要があります。最も簡単な方法は、作業台上の目立てクランプを使用してガイドバーを固定することです。チェンがぐらつかないようにチェンが張られていることを確認してください。鋸断時よりも強く張ることをお勧めします。チェンブレーキをかけておくことで、チェンの動きを抑えることができます。
刃の角度
チェンの刃は、指定の目立て角度に従って研磨する必要があります。この角度は、お使いのチェンの種類によって異なります。目立てゲージを使用する場合は、良い刃を作るためにさまざまな角度を考慮する必要がありません。手順に従うだけで、刃を正しい角度に仕上げることができます。
Method
目立てゲージを使用したチェンの目立て
刃を目立てします
お使いのチェンの種類に合わせて設計されている丸ヤスリおよび目立てゲージを使用します。正しいサイズは、チェンのパッケージと目立てゲージ本体に記載されています。
目立てゲージをチェンに配置します
目立てゲージの矢印がチェンの回転方向(バーの先端方向)を指している必要があります。ゲージがチェンにしっかりとはまっていることを確認します。
両手で目立てします
ヤスリを目立てゲージのローラーに対して90度の角度で置きます。両方のローラーにヤスリが触れている必要があります。目立て角度はチェンの種類に応じて25~35度です。刃の内側からスムーズに押し出して刃を目立てします。
片側のすべての刃を目立てします 一つ一つの刃が鋭くなるまで、各刃を目立てする必要があります。すべての刃を同じ長さに目立てすることが重要です。
片側が終了したら反対向きに取り付けます 片側のすべての刃を仕上げたら、目立てクランプを緩めて、反対向きにしてガイドバーを目立てクランプに取り付けます。
反対方向からの目立てをします
反対方向から同じように反対側の刃を目立てます。
フリーハンドの目立て
目立てに慣れている場合は、目立てゲージなしで目立てすることもできます。元の刃の角度に合わせて研いでください。刃の正しい角度とデプスを維持するために、数回フリーハンドの目立てを繰り返した後は目立てゲージを使用することをお勧めします。
チェンを削りすぎないでください。深く削りすぎてフック形状となった場合、非常に激しい挙動になり、大変危険です。これにより、チェンソーには大きな負荷がかかり、ユーザーが受ける振動は増加します。
ソーチェンの交換
刃の最も長い部分が4 mm未満まで摩耗した場合、または損傷や亀裂が見つかった場合は、チェンの交換時期です。
デプスゲージ
デプスゲージの位置と刃の先端部の高低差(デプスゲージの隙間)が、木を切削する深さを決めます。これは鉋(かんな)と同様です。かんなの刃の突き出しが短い場合、削られる木材の量はとても少なくなります。ソーチェンでも、デプスゲージの最上部と刃の先端の間の距離が小さすぎる場合、同じことが起こります。また、デプスゲージの最上部が極端に低く削られていることは、決して良いことではありません。刃が深く食い込みすぎるためです。その結果、チェンの動きが激しくなり、振動が大きくなります。キックバックの危険性が高まり、チェンソーに不要な負荷がかかります。
最適なデプスにするには、角度を付けて削ることが重要です(上の写真を参照)。プレートはこのときの固定に役立ちます。
Method
デプスゲージの調整
通常摩耗時に刃を3~4回目立てした後は、デプスゲージを削ることをお勧めします。石や砂利に当ててしまった場合などは、刃をよく目立てすることが必要です。その際には、必ずデプスゲージも削ることを忘れないようにしてください。プレートには、「Soft(ソフト)」と「Hard(ハード)」という文字が刻印されています。「Soft(ソフト)」は軟木(針葉樹)を表し、「Hard(ハード)」は凍結した木や硬木(広葉樹/葉の茂った木)を表します。デプスゲージを「Hard(ハード)」に設定して目立てする場合は、「Soft(ソフト)」で目立てする場合よりも、各刃の木への食い込みが少し減ります。材木が硬い場合は、軟木に比べて、一度に切削できる木材の量が減ります。デプスゲージの測定値は、チェンの種類によって異なります。詳細については、チェンソーのユーザーマニュアルを参照してください。
配置の方法
プレートの穴の1つを、チェンのデプスゲージの上に置きます。切削する材木に応じて、「Soft(ソフト)」または「Hard(ハード)」を選択します。ゲージを後ろの刃に載せます。
片手でゲージをしっかり持ちます
もう一方の手で平ヤスリを持ち、プレートにヤスリが接触するまでデプスゲージを削ります。
左右の偏り
デプスゲージがチェンに対してどのように配置されているかは、刃が左と右のどちらに位置しているかによります。
森林内でのチェンソーチェンの目立て
ヤスリは、チェンソーを安全に固定できる安定した硬い地面の上で使用してください。次に、手順の例をいくつか示します。ご自身に最適な方法を使用してください。作業を円滑に進めるために、常にチェンを鋭く保つことが大切です。
Method
木の幹にまたがって座ります。
これにより、両手で目立てすることができます。
木の幹にまたがって座ります。
太ももの間にチェンソー本体を保持します。
チェンソー本体の上に身を乗り出し、前腕を太ももに当てて支えます。
まず、同じヤスリを使って、片側のすべての刃を一方向に目立てします。
ヤスリをもう一方の手に持ち替え反対側も目立てします(難しい場合は体とチェンソーの位置を変えて利き手で目立てます)。利き手で全て研ぐ場合はチェンソーを切り株や丸太に立てかけることもできます。
目立て手順に従って目立てします。
エンジン本体に右脚を押し付けて、しっかりと固定します。
目立て手順に従って、反対側の残りの刃を目立てします。
目立ての頻度
切れ味が悪くなるような物(石や土など)を切削しないようにしていても、時間の経過とともにソーチェンの鋭利さは損なわれます。石を切削した場合は、程度に差はありますが、チェンが使えない状態になっているため、すぐに目立てを行ってください。
木材のみを切削している場合、チェンの鋭利さは長持ちします。目立ての必要性は、作業量や木の硬さなどの要因によって変化します。ただし、ほぼ一日中チェンソーを使用する場合は、給油するたびに点検することを習慣にしてください。「前かがみ」になり、チェンソー(切削部)に通常よりも力や体重をかけて押し付ける必要性を感じたら、チェンの切れ味が鈍くなっている証拠です。
チェンの種類
必ずメーカー推奨のガイドバーとチェンを使用してください。使用するチェンの種類が不明な場合は、お近くのハスクバーナ販売店にお問い合わせください。
チェンの張り
チェンの張り具合が正しいことを確認します。チェンに緩みがあると、チェンがガイドバーから外れて負傷したり、チェンソーが損傷したりするおそれがあります。また、チェンが緩んでいる場合だけでなく、過度にきつい場合も、バーが早期に摩耗する可能性があります。
適切に張力がかかったチェンは、ガイドバーの下に垂れ下がりません。ガイドバーの下側に接触している状態が適切なチェンの張りで、チェンを簡単に引っ張り上げることができます。