追い口の切り方
安全に追い口を作成する方法は複数あります。使用する技術は、木のサイズ、地形の傾斜、チェンソーの大きさによって異なります。最も一般的な追い口切りの方法を次に示します。
追い口の後ろからまっすぐ切ります
小径木の場合、追い口切りの最も簡単な方法は、後ろからまっすぐ切ることです。これは、伐倒する木に応じて、バンパースパイクの有無にかかわらず実行できます。
小径木の場合、ブレイキングバーや伐採クサビの使用が困難です。木が少し傾くとガイドバーが挟まります。しかし、通常は、手を幹かスパイク付きのポールに当てて、木を前方に押すことができます。(国内の法令に従った作業方法で実施してください。)全長 4~5 メートルのスパイク付きのポールを使用すると、大きな重い木でも手で押すことができます。
この方法は、木が後ろに傾いておらず、逆風がない場合は、太い木にも使用できます。(国内の法令で禁止されている場合は必ず法令に従ってください)木が後方に倒れる危険があり、重すぎて前方に押せない場合は、伐倒ツールを使用する必要があります。この場合は、追い口にクサビまたはブレイキングバーを使える深さになるまで切削します。必要とするつるの厚さに近づいたら、つるの厚みが均一になるように注意してください。(国内の法令で禁止されている作業方法は使用しないでください)
前方に深く傾いている木の場合、後ろから追い口を切ると危険性が高まり、木が裂けて損傷するおそれも高まります。その場合、可能であれば突っ込み切りをして、後方に向けて追い切りします。
Method
スパイクを使用した後ろからの追い口切り
スパイクはエンジン本体とガイドバーの間の回転軸(支点)として機能します。スパイクを一番下の爪を必要とするつる幅の位置に突き刺して、チェンソーを固定します。固定したスパイクを支点にして、チェンソーを水平方向に回転させ下刃で切進めます。適切なつる幅を目指してスパイクを回転軸(支点)にし、下刃で追い切りします。直径の半分まで切削したら、忘れずに伐採クサビを追い口に挿入してください。
幹の反対側からスパイクの一番上の爪を固定して、上刃で追い切りすることもできます。ただし、この方法で行うと、エンジンの抵抗が大きくなります。
2段切りまたは分割切り方式
後ろから切断するときに、木の直径全部を切削するのではなく、この方式では反対側の淵を残します。これにより、木が後ろに倒れるのを防ぎ、追い口に伐倒ツールを使用できるようになります。
突っ込み切り
追いづる切りやターンアラウンド方式(突っ込み切りからのまわし追い口切り)を実行するには、突っ込み切りをマスターする必要があります。これには、チェンソーのバーの先端を使用した、木に切り込む作業を伴います。突っ込み切りは、伐倒方法の多くで使用でき、ガイドバーの長さや木のサイズに関わらず適用できます。
突っ込み切りは、次に記載する通りに正確に行うことが非常に重要です。ガイドバーの先端を最初に使用するので、少しでも逸脱するとキックバックの危険性が高まります。
追いづる切り
木を倒す最後の切削まで、幹の後ろ側の角を切削しないで残します。この方法の大きな利点は、つるを正確に切断することができ、それを木が倒れる前に点検できることです。さらに、角が残っているので、木が後ろ方向に倒れることがありません。この方法は幾分前方向または後ろ方向に傾いた木にも適しています。
推奨される方法
追いづる切り - 小・中径木
ガイドバーの長さよりも木の直径が小さい木に使用します。
追いづる切り - 大径木
ガイドバーの長さよりも木の直径が大きい木に使用します。
廻し切り方式
この方式でも突っ込み切りを使用します。ガイドバーの長さより木の直径が大きい木に使用します。
Method
廻し切り方式 - 大径木
受け口と水平にし、できるだけ深く突っ込み切りをします。受け口に平行に、適切なつるの厚さまで切削します。おおよそガイドバーの幅と同じだけ、後ろに切り進みます。チェンソーで廻し切りしますが、その際にガイドバーの先端でつるを切らないようにしてください。いったん止まって、必ずクサビまたはブレイキングバーを挿入してください。引き続きチェンソーを回して、追い口を完成させ、均一な厚さを持ったつるを作ります(つるの均一な厚さは非常に重要です)。